場所恐怖症と頭痛
転倒し、頭部打撲後からの頭痛と場所恐怖症
七十五歳の女性が買い物の途中で転んで頭を撃って病院に運ばれるというケガをしました。
幸いにも、大きな異常は見られず、その日のうちに帰宅できたのですが、翌日から頭痛に悩まされました。
何日かして、私の治療室に来院しました。何度か治療したのですが、思わしくありません。
そこで、怪我をしたことを映画を再生するように思い出してもらいました
そしてその映画を巻き戻して見てもらいました。
転ぶ直前から転んだ直後、そして頭痛が治って、元気に買い物をしている所までを一つのストーリーに見立てて行いました。この方法をフォビアプロセスと呼びます。フォビアとは恐怖症のことです。
結果として何週間も悩まされていた頭痛は一度のフォビアプロセスで良くなってしまいました。
それと同時に、それまでケガをした場所には怖くて近寄る事もできなかったのですが、
ケガをしたその場所にも行けるようになった,ということを後から聞きました。
この体験は、わたしにとって、治療家としての存在価値に出会う大切な症例です。
身体だけではなく、心だけでもなく、その重なり合うあるいは人間というコインの表と裏を同時に両面的に治療する「ボディメンタルペイン」というコンセプトを実体験させて頂いた症例です。