コロナについて



コロナに世界中が振り回されています。

こんな時こそ、NLPは心の平安を保つのに役立ちます。

このような危機的状況において、NLPのモデリングは効果的です。

モデリングしたいのは、元メジャーリーガーのイチロー選手です。

以下は彼が2009年のWBCの決勝において、決勝打を打つ場面での認知戦略を私がモデリングしました。

大会開幕前の練習試合から全く安打が出ず、大会開幕後も打率.200前後という絶不調の状態に陥り、マスコミなどからはバッシングも受け、”国民の心配事”とまでささやかれました。
普段なら言わない「心折れた」とまでイチロー自身がコメントする程でした。
しかし決勝の韓国戦で、6打数4安打、延長10回に林昌勇から決勝の2点適時打を放つ活躍で連覇に貢献。

それでもイチローにとって極限状態でした。
実際彼はこの年にWBC終了後マリナーズに合流した後、WBCの影響から極度の疲労により体調を崩すと、4月3日に精密検査を受けた結果、胃に出血性の潰瘍が認められ、自身初の故障者リスト入りとなってしまいました。

それほどの極限状態の中で、自分自身を保ち、最高のパフォーマンスを見せてくれる認知戦略を、その打席についてのインタビューで語っています。

~10回表3対3の同点 2死1、3塁でイチローに打席が回ったところ~
イチロー:ここで打ったら、えらいことだな。打たなかったらもっとえらいことや。

<到達型のメタプログラムと問題回避型のメタプログラムが同時に志向されています。>

ここで「メタプログラム」とは私たちの思考の方向性を決めるプログラムです。

※到達型は目的に向かって積極的に思考し、問題回避型は最悪の状況に至らないように思考します。

イチロー:そういう思いがよぎるときは、結果はあんまり、出ないですよね。雑念が色々入ってきているわけですから。
でもよぎってしまったので、どうしようもない。これ消すことできないですよ。
できないと僕思ったので、僕の脳みそ、こういう流れになっているので、もうここに便乗していこう。

<過去の体験から脳をコントロールできないと判断して、ネガティブな思い(Vc)を受け入れています。
「そういう思い=未来の結果(ネガティブ)」についての予測がT.O.T.E.の入力に相当しています。>

※VcとはVisual Constructiveの略で、視覚を構成的に使うこと、つまり未来をイメージした映像を見ていることです。

※T.O.T.E.とは、Test、Operation、Test、Exitのイニシャルを取った行動のモデルです

イチロー:(それ)で、打席に入る時に、
「さあ、この場面イチロー選手打席に入りました」
実況風の感じを頭で描きながら、
1球目ボール、2球目ストライク・・・中略 3球目「はいファール」、4球目「はいまた、ファール」

<自分の行動をメタポジションから出て言語化しています(Ad)。
このプロセスがT.O.T.E.のオペレーションに相当しています。>

※メタポジションとは、自分自身を客観視する知覚するポジションです。

※AdとはAuditory Digitalの略で聴覚をデジタル(言語)的に使うこと、つまり自分と対話していることです。

インタビュアー:すごい余裕があるような・・・・
イチロー:余裕じゃないんですよ、自分の気持ちに便乗していっただけなんですよ、もうこうなっちゃったら、マイナスの事も考えたけれども、楽しくしないとなんかもうやってらんないみたいな感じなんですよね。
インタビュアー:その裏返しとして・・・
イチロー:めちゃくちゃ恐いですよ。オフ日本に帰れないな。みたいなネガティブなことを想像しましたよ。

<この段階でもいまだネガティブな想像(Vc)がおきています。オペレーション(実況)を繰り返します。>

イチロー:5球目「はい、そこの低めファール」ワンバウンドしそうな低めのファールだったんですけど、
あのファールをしたときに、いただきましたっていう感じにはなったんですよね。
インタビュアー:いただきましたとはどういうことなんですか?
イチロー:必ずいい結果が出ると思ったんです。かなりの確率でヒットが出る。あのボール(低めのワンバウンドしそうな)をヒットできると思った感覚を持った自分。それでこれ何が来てもいけるって感じたと思うんです。

<この段階で自分のボールに対する反応行動(Ke)に対して、「いただきました」という良い評価(Ad)、
さらに未来に対して何が来てもいけるって感じた(Vc)>

KeとはKinesthetic Externalの略で、外的に身体感覚を使うこと、つまり行動することです

インタビュアー:そのときにはまだ頭の中で実況はされているんですか?
イチロー:そこで終わりました。
<T.O.T.E.のエビデンスが達成されて、この戦略が終了(Exit)したことが分かります。>

この後にセンター前ヒットを打って優勝しました。

このプロセスを明示的モデリングしてスキルにしたのが以下の通りです

極限状態で現実的に行動する戦略

1. 否定的な未来予想をしてしまう問題状況を特定します
「否定的な未来を予想してしまうのはどんな時ですか?」
「何が見えますか?」「何が聞こえますか?」「身体はどんな感じですか?」

2. その問題のトリガー(引鉄≒きっかけ)を特定します
「何がきっかけでこの否定的な予想が始まりますか?」

3.トリガーの肯定的な意図や目的を特定する

「トリガーがあることによって何が得られますか?」

4. 望ましい状態とエビデンスを設定する
「望ましい状態は何ですか?」
「それが手に入ったということを、どのようにして知りますか?」

6. 客観視して行動を描写する ~T.O.T.E.のオペレーション~
この状況におけるあなたの行動を客観視して、言語化します。 ※実況するように

7. 望ましい状態のエビデンスが達成されるまで、6.を繰り返します
現状と望ましい状態が一致したら(エビデンスが確認されたら)終了します。

8. リハーサル
「否定的な未来予想をしてしまう問題状況になったら、どうなりますか?」

写真の説明はありません。
ここから学べることは、最悪なシナリオと最良のシナリオの両極を考えて、どちらにも対応できるように現実的に準備できる心身状態を保つことです