泣いたのはだれ?



息子が引っ越しました。

21歳の大学3年生ですから、遅いような気がします。

私は、14歳の時には、両親とは別のアパートに暮らし、

食事の時だけは母屋に戻る生活でした。

18歳の時には完全に一人暮らしで、家事全般自分で行っていました。

そうすると、息子に対して自然と見る目が厳しくなっていました。

そして、先日自宅が水漏れ被害に遭いましたので、引っ越す事を決めました。

予定では、3年後に更新が来ますので、そのタイミングで、
息子を一人暮らしさせようと思っていました。

その時、息子は社会人2年目なので、自立するにも良いかと

妻と話していました。

が、水漏れの為、急遽引っ越し先を決めようと不動産屋さんにお願いしているところ、

息子は自分で不動産屋を回って、一人暮らしの場所を決めて、12月10日に早々と引っ越していきました。

その決断と行動の早さに驚きました。

妻は少し不満気でした。

あたかも、私が息子を追い出したかのような受け取り方をしていました。

そして、息子が引き払った部屋を見ると「ガラン」とした空間だけが残っていました。

妻が寂しくて泣くかと思い心の準備はしていました。

そして、息子が引っ越した翌日、妻に「寂しい?」と聞いたら、

カラッと「いつも居るんだか居ないんだか分んないから変わんない」と笑って答えました。

ところが、

寂しいのは私でした。

近所の公園で6歳の息子に初めてキャッチボールを教えて、

それから高校を卒業するまで、野球の練習に付き合ったこと。

一緒にテレビで野球について語り合ったこと。

就寝前にたくさんの思い出が沸き上がった時、

さだまさしさんの「案山子」という歌をiPhoneで聞いて、

自分の部屋で号泣しました。

https://www.youtube.com/watch?v=q-YWPosTX1M

「おまえの笑顔待ちわびる、おふくろに聴かせてやってくれ」という

詩は、父親の気持ちなんだと思います。