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続きは編集後記で

高齢者の文化的な活動頻度とうつ病リスクの関連性を検討した論文が、2018年12月18日付で英国の精神医学誌に掲載されました。

 

この研究では、うつ病を有していない高齢者が対象となっています。被験者の博物館や劇場、映画館、美術館といった文化的施設の利用頻度と、うつ病リスクの関連性が10年にわたり調査されました。

解析の結果、うつ病の発症リスクは文化的施設への利用頻度がまったくない人に比べて、月1回利用する人で32%、月に1回以上利用している人で48%、統計学的にも意味のある水準で低下しました。

文化的施設の利用によってうつ病のリスクが低下したのか、もともと精神的に健康な人が文化的施設を頻回に利用していたのか、判別しがたいそうですが、社会的環境や人の行動そのものが、健康状態に大きな影響を与えうるという報告は多数あります。

ここで問題なのは、鶏が先か卵が先かが判別しがたいことです。

これは直線的な因果関係思考だからです。

こういう時、NLP、システム思考そしてグレゴリー・ベイトソンは円環的な思考をします。「どちらも原因と結果になり得る」とフィードバックをかけ合う相互作用を前提に考えれば、問題ありません。

特に目的がうつ病の低下にあるのであれば、文化施設を利用することを奨励することです。

健康的な人はうつ病になり難くなり、うつ病の人は回復するきっかけになるかもしれないと考えれば、どちらが先かは大きな問題ではありません。

重要なのは効果的かどうかです。

■編修後記

ALIVE A LIFE ~人はどうして治るのか?~セミナーの開催動機の一つは、円環的なシステム思考を知って頂きたいからです。

治療のセミナーに参加していると、直線的な因果関係で思考する治療家が非常に多くいます。そして「ここをやればココに効く」や「この方法ならこの症状に効く」などが話されています。

NLPのセミナーでさえ、「このスキルは○○に効きますか?」という質問をよくされてきました。

そう考えることは、自然で効果を出すために明確な答えが欲しいのも分かります。かつての自分もそうだったからです。

しかし、NLPを学び、トレーニングしながら、臨床をしているとやはり円環的なシステム思考が必要となります。

「唯一の正しい地図は無い」のです。

システム(一個人、治療者と患者、家族etc)がどのように相互作用しているか、それを見ていくことが大切です。

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