NLPの共同創始者であるバンドラーとグリンダーがパートナーシップを継続していた頃に作成されたテクニックです。
「葛藤の統合」とも言われます。
二つのパート(無意識的な小さな自分自身)が、同じ時に、異なる方向を志向してお互いが動けなくなる事を葛藤と呼びます。
ヴィジュアル的に二つのパートをスカッシュ(お互いに押し込めて潰して一つにすること)することから、ついた名前です。レモンスカッシュのスカッシュですね。
その前段階で二つのパートの「肯定的意図=価値」を発見し、二つのパートがお互いに価値を認め合った時にスカッシュすることができます。
価値は自分にとって、肯定的なものです。
価値同士のプライオリティ(優先順位)が異なるだけで、どれも重要です。
なので、パート同士で話し合えばどの価値も重要であることが、パートの間で合意形成されます。
葛藤があると、言語的には「はい。でも」という”YES,BUT”が多くなり、
姿勢が非対称になる事がわかっています。
クライアントの話の内容が込み入って来ても、
言語・非言語パターンから葛藤であることがすぐにわかります。
しかし、日常生活で、葛藤しているまさにその瞬間にヴィジュアル・スカッシュをやっている暇はありません。
もっと速く行動しなくてはならないのです。
50年前のNLPが古いと感じるのは、
現代のVUCA 「Volatility(変動)」「Uncertainty(不確実)」「Complexity(複雑)」「Ambiguity(曖昧)」に対応できないからです。
ではどうすればいいのか?
50年前のNLPはゴール(G)とエビデンス(E)を設定して、オペレーション(O)する。
GEOモデルまたは某団体ではアウトカムモデルと呼んでいるモデルを基準にしています。
日本ではPDCAサイクルの方が分かりやすい人もいるかもしれません。
GEOモデル、PDCAサイクルにしても、基本的に状況が変動しないことが前提です。
ゴール設定またはプランニングをしている時の状況が安定している時代は終わりを告げました。
葛藤も同様で、葛藤しているパートをスカッシュしている時間は無いのです。
そこで、ALL NLPでは、とにかく行動しながらゴールを設定することも「あり」にします。
最速の選択で、状況の変動に対応できるようにするために、どちらかのパートを優先して行動します。
そして、取り残されたパートを後からフォローする形を取ることもあります。
あるいは、葛藤している二つのパートとも、保留して新たな第3のパートに行動を委ねるかもしれません。
すべて変動する状況に合わせるスピードを重視します。
例えば、営業に行って、相手からプライスダウンを要求されたら、どうするか?
相手の要求を退けるのか?それとも相手の要求を呑むのか?
どっちを選択するのか葛藤します。
多くの営業の人は上司に電話で確認を取ります。
私はそういう会社と契約を結びません。
何を決定するにも時間が掛かるからです。
なので、予め下限予算を持ってきていない=裁量権がない=決定が遅い
と考えます。
反対に、「分りました。今回はご縁が無かった」と言って断ってきたら、
次回はこの会社に依頼しようと思うかも知れません。
営業は「子供のお使い」ではなく、会社の看板を背負っているプロ意識を持っている企業と仕事をしたいと思っています。