知覚位置
NLPの代表的な概念とテクニックで「ポジションチェンジ」と呼ばれるものがあります。
ゲシュタルトセラピーを学んだ事がある人は、エンプティチェア(空からの椅子ワーク)を取り入れたように思われる事でしょう。
確かにゲシュタルトセラピーの影響はあります
が、
知覚位置の概念はNLPの草創期からあった概念ではありません。
1970年代の初頭から始まったNLPが、
創始者の二人がパートナーシップを解消して
1980年代の中ごろに更なる発展をした時
グリンダーと当時の妻であったディロージャーによって開発された概念です。
では、その根幹に在るのは何か?
二人にとってメンターであるグレゴリー・ベイトソンの影響です。
ベイトソンは、精神と自然(Mind and Nature)という著作で、
重なり合う世界
重なり合う関係性
という2章にわたって、「2重記述」という事を説明しています。
二つの視点からモノコトを見たほうがより現実的です。
それが第1ポジション、第2ポジションの始まりです。
ここでもベイトソンが「NLPの父」と呼ばれる由縁でもあります。
この歴史的背景を知らないと本当の意味で知覚位置の変換は功を奏しません。
単なるテクニックになってしまいます。
ベイトソンが遺したものはテクニックではなく、世界の認識の仕方です。
それを知って、ポジションチェンジを行うと様々な意図を持って行う事ができます。ただ相手の立場に立つだけではなく、相手の世界の認識の仕方、つまり世界観を共有することができます。
それは、単に座っている椅子を移動する以上の意味がその場に生成されます