NLPにおいて、「メタモデル」という言葉は、通常、話し手(クライアント)の曖昧な言語表現に対する12個の質問セットを指します。
しかしながら、オリジナルの「メタモデル」の原義は「モデルについてのモデル」です。
ここから、本来はメタモデルという用語は、もっと広い意味に使われます。
1975年にグリンダーとバンドラーによって著された「魔術の構造」にはメタモデルの言葉が複数の意味を持って、随所に使われています。
ここでは3つのポイントに分類してメタモデルを「魔術の構造」から引用します
1)いわゆる上述した質問セットとしてのメタモデルについては以下のように言及されています。
ある共通点が存在している。それは,彼らはクライエントのモデルに変化を引き起こし,クライエントの行動に,より多くの選択肢を与えることができる,ということである。つまり我々の理解によれば,この魔術師たちは,クライエントの外界モデルを変えるために用いる独自のモデル,すなわち地図一たとえばメターモデルーをもっている。それを使ってクライエントのモデルを効果的に拡大し豊かにして,クライエントがより充実した有意義な人生を送れるようにするのである。
ここで示すメターモデルは,その大部分が変形論的言語学のなかで発展した形式的モデルをヒントにしてできたものである。変形論的モデルは,人間の変化の仕方と直接は関係ない問題に取り組むためにできたものなので,変形論的モデルのすべての部分が一様に,治療のためのメターモデルの形成に有効というわけではない。つまり我々は,そのモデルの中で我々の目的にかなう部分だけを抜き出し,治療の目的に合うシステムにそれを整理し直したというわけである。
2)メタモデル(内的世界モデルについての言語)
私たちが外界から刺激を受容し、神経系によって私たちの内部に現実世界のミニチュアとしての内的世界モデルを構築します。それを言語として表現した時に内的世界モデルについてのモデルを形成しています。
魔術の構造には以下のように述べられています。
つまり言語は我々の内的世界のモデルである。生成文法家は,我々の言語の形式モデル,あるいは我々の内的世界のモデルについてのモデルを,すなわち一言でいうとメターモデルを発展させたのである。
3)コミュニケーションにおけるモデルのやりとり
人のコミュニケーションにおいて、私たちは、お互いの内的モデルを相互に交換しています。
このプロセスのモデルは,我々の内的モデルを表現したり伝えたりする時に行うことをモデル化したもの――モデルのモデル――で,いわばメターモデルである。
このメターモデルは我々の経験についての直観を表わしている。たとえば,同義性についての直観。